プリミティブな雰囲気漂う存在感ある佇まい、錆漆で仕上げられたニマ（ 浅鉢 ）

アイヌ語で二は木の意味を持ち、ニマとは木のうつわという意味になるそう
小さなサイズながら、タモ材を刳り貫いて作られています

こちらは、舟を思わせるような意匠のオーバル型の浅鉢
左右に取っ手がついている意匠はニマによく見られるものですが、どことなく可愛らしいです

漆に砥粉が混ぜられ錆びたようなマットな質感の錆漆
一見すると黒なのですが、光にあたるとうっすらと赤みを帯びた焦げ茶色の箇所も
鈍い光沢を帯びたマットな肌は、彫りの跡や木目等、手仕事や木の表情の陰影はそのままです

魔がつかないように具象的な表現を避け、抽象的な文様を用いるアイヌの木彫
左右の取っ手には、ラㇺラㇺノカというウロコ彫り、口縁にはコイノカという波文が施されています

存在感のある一枚ですが、暮らしの背景を選ぶ事無く、和洋問わずお使い頂けます
漆の加工が施されておりますので汁物は勿論大丈夫ですし、緑との相性もよさそう
食材をより鮮やかに魅せてくれる一客は、酒器のお供やエスニックなどの無国籍なお料理にも是非どうぞ


作り手：貝澤 福次